第1MTP関節の裏を痛がる患者が来た。さて鑑別は?
種子骨炎
症状は第1MTP関節の裏の痛みで、反復刺激の多いサッカー選手やダンサー、ランナーに多いとされる。外側より内側が障害されやすく、伸展で悪化する。
母趾種子骨はflexor hallucis brevis(短母趾屈筋)の腱の骨化を由来とする種子骨。
内側種子骨と外側種子骨の2つがあり、安静時には体重の50%を支え、ジャンプ時には体重の3倍の力を支えていると言われている。
鑑別としては骨折や壊死(血流がないため壊死しやすい)、感染症などがある。
治療は保存的加療(免荷)がメインになることが多いが、MTP関節へのケナコルト注射が選択されることがある。
種子骨はMTP関節腔に接しているためMTP関節へのステロイド投与が種子骨まで到達するとされている。