最近ばんばん不明熱研究を出版しているUniversity Hospitals LeuvenのAlbrecht Betrains先生の新作。
今までの研究:
FUOとIUOの違いのMA/SR
2009/7~2023 /12
サンプルサイズが20以上のFUO(簡単にいえば原因不明の炎症+、発熱+)とIUO(原因不明の炎症+、発熱-)双方を含む研究
*HIV関連、院内関連、免疫不全関連(IgG≦750 or 好中球≦500)、16歳以下を対象とした研究は除外
**FUO/IUOはPetersdorf-Beeson criteria , Durack-Street criteria, De Kleijn criteria のどれかを満たす
→IUO vs FUOでIUOに関して
・感染と自己炎症性疾患(AOSDやシュニッツラー、FMFなど)の可能性を下げる
・逆に血管炎やRA/SpAの可能性を上げる
また、同グループからFUOとIUOのPET-CTの診断寄与に関して以下のような報告があるHigher diagnostic yield of 18F-FDG PET in inflammation of unknown origin compared to fever of unknown origin
2009~2019年にPET-CTを受けたFUO/IUO患者を後ろ向きに検討
→患者604人のうち、439人(73%、平均年齢56歳、女性43%)がPET-CTを受け、うち349人(79%)がFUO、90人(21%)がIUOに分類された
・FUOとIUOではIUOにおいて診断にPET-CTが寄与する割合が高い(aOR 2.21 [95% CI 1.31-3.72]; P = 0.003)
・また、PETCTは再発パターンやすでにCTを撮像している場合には診断に寄与する可能性は有意に低くなった
まとめ:
不明炎症患者(炎症はあるが熱が確認できない患者)では特に血管炎を念頭に鑑別を進めるといいかもしれない。
(が、実臨床では患者の背景や病歴に合わせて一例一例考えるべきだろう、あくまで目安や肌感覚として知っておく程度にとどめておこうと思う)