膠原病内科日記

膠原病・不明熱・間質性肺炎に関して勉強します。X:https://x.com/rheumafuoild/

無治療で自然軽快する器質化肺炎の特徴

最近日本から自然に治癒する1次性器質化肺炎の報告があったためまとめてみた。
・複十字病院からの報告
・2016/5-2022/6
・後ろ向き研究
・OPは臨床情報に加え画像検査や病理検査で矛盾ないものをOPと定義した。
・102人のOPの症例のうち、TBLBを受けていないものや二次性、病理学的に矛盾のあるもの、ステロイドの反応性が悪いものを除外し、症状改善傾向にも関わらずステロイド加療を受けたものや診断過程でステロイドの加療を受けた患者も除外した。
 

 

有意差のあった項目に関してROC曲線を作成すると

CRP>3.79 mg/dLの場合感度73.9%、特異度93.8%、OR39.8でステロイド加療が必要と考えられる。

・spontaneous resolution群は1例(7.1%)relapseがあった。steroid治療群は4例(17.4%)relapseがあった。
 
discussionでは好中球炎症の有無がステロイド治療の必要性の有無と関わっているのか?という考察や先行文献で2ヶ月以上症状が遷延した場合に再燃率が高かったとの報告もあり、症状が2ヶ月以上続くようなら治療を検討しても良いとの記載。
 
(コメント)
基本的にdesatulationがあれば治療でなければwatchで考えていたが、その先のマネージメントに関して一助になるような研究。CRP高値な場合や罹病期間が長い場合は再燃のリスクを考えてdesatulationなくても治療してもいいかもしれない。
またKL-6はあまり当てにならず、BALのリンパ球数より好中球の割合の方が治療の必要性という意味では重要かもしれないのも機序を考える上で重要かと思う。