膠原病内科日記

膠原病・不明熱・間質性肺炎に関して勉強します。X:https://x.com/rheumafuoild/

SLE

菊池病の再発と自己免疫性疾患発症のリスク

菊池病と自己免疫性疾患に関しては関連があるとされ、ケースレポートから後むき研究まで様々な媒体で報告されている。特に東アジア人の菊池病ではSLEの発症が多いことが知られている。 Kikuchi-Fujimoto Disease: analysis of 244 cases 181の研究+単施設の…

dsDNA抗体陰性のSLEの特徴

SLE

dsDNA抗体はSLEの70-98%に陽性となり、感度57.3%・特異度97.4%と特異性の高い検査となっている。dsDNA抗体は腎炎との関連が指摘されているが、今回2015年に報告されたdsDNA抗体陽性SLEと陰性SLEの症状の違いに関して比較した研究を紹介する。 pubmed.ncbi.nl…

特発性血小板減少性紫斑病患者のSLE発症を推定するスコア

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)患者からSLEを発症する患者群があり、無治療で経過観察している患者でも膠原病発症の可能性を考えフォローすることもある。今回ITP患者でSLEをどのくらい発症するかをまとめてみた。 参考: Development of systemic lupus ery…

【まとめ】Shrinking Lung Syndrome

SLEにおける稀な肺合併症として"Shrinking Lung Syndrome"がある。 www.ncbi.nlm.nih.gov Shrinking Lung Syndrome(SLS)は進行性の呼吸困難、(多くは片側の)横隔膜挙上、胸膜炎、画像上の肺容積減少(肺実質病変はないにも関わらず!)、拘束性換気障害を特徴…

【まとめ】成人発症のLupus anticoagulant hypoprothrombinemia syndrome(LAHPS)

Lupus anticoagulant hypoprothrombinemia syndrome(LAHPS)は1960年にはじめて報告された後天性のプロトロンビン活性低下(通常10%以下)を伴うループスアンチコアグラント(LAC)陽性例でLAC陽性であるが出血症状を伴うことで知られている症候群である。小児のV…

全身性エリテマトーデスはくも膜下出血になるリスクが高い

SLE

アジア人の全身性エリテマトーデス(SLE)はくも膜下出血(SAH)になるリスクが高い。 最も大きいデータでは、 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 台湾のnational dataを使用した研究があり、 2000-2006年の間のSLE患者17404人とランダムに性別と年齢をマッチさせた16967…

胸腺腫とSLE

SLE

胸腺腫には自己免疫性疾患が合併しやすいことが知られており、重症筋無力症や赤芽球婁、天疱瘡、筋炎、Isaacs症候群、Good症候群などが報告されているがSLEとの合併例も報告されている。 自己免疫性疾患を起こす機序として ①Escape theory→髄質で行われるNeg…