膠原病内科日記

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巨細胞性動脈炎の拡散強調像での簡便な診断方法に関する研究

巨細胞性動脈炎(GCA)の診断においては側頭動脈生検と超音波検査がゴールドスタンダードとされており、その代替として造影血管MRI(3テスラ、T1-BB)が推奨されており、感度80%、特異度100%と報告されている。
今回拡散強調画像を用いて簡便にGCAを診断する方法が報告されているので紹介する。
 
先行報告
①大動脈病変においてMRIの拡散強調がPET集積と一致していた研究

②上記の研究を受けて側頭動脈をDWIで評価:DWI scalp dot sign

*T1BBとDWIのdot signの診断能が同程度であることを示した研究
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そして今回ゲシュタルトによる診断:DWI scrolling artery sign(DSAS)”
スクロールするときの血管の印象(皮下組織内のDWI高信号)を左右の前頭、後頭で評価
 
スケールで2以上を高信号と定義
0:なし
1:わずかに動脈が見える(slight)
2:著明に動脈が見える(prominently)
3:明るく動脈が見える(brightly)

 

GCA患者(87人)のうちDSASを持つ患者は3~4領域:33人、2領域:14人、1領域:17人(計64人,73.6%)であった。
コントロール(PMRや一次性頭痛、AIONなど)の患者では69人中4人で陽性であった。
DSASはT1BBと比較して、GCAの診断に関して感度 73.6%、特異度 94.2% (専門家)、59.8%、特異度 95.7% (初心者) を示した。

 

(コメント)

確かに当院のGCA患者で見てみてもDWIで高信号があり、病理結果とも一致している印象であった。側頭動脈ができない or 結果が早く知りたい状況だが、超音波検査を当てられないシチュエーションでは参考になる所見と思われる。