膠原病内科日記

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Muscular Polyarteritis NodosaはCK上昇を認めにくい

結節性動脈炎は全身の中型血管を侵すが、筋肉への血管に障害をきたすサブセットがあり、それを"Muscular Polyarteritis Nodosa"(MPAN)と呼ぶ。

MPANはまれなサブセットであるが、2016年までのliterature reviewと今年の日本よりケースシリーズの報告があったため紹介する。

 

①Literature review

www.jstage.jst.go.jp

20-60代後半まで幅広い年代で見られるMPAN。中でもCK上昇が認められないことが目につく。

この論文中で報告されたMRIでは筋肉内にMRIで炎症を示唆するT2 Highの信号があるのにも関わらず。これは浮腫、または変性を見ているのか?

 

②日本からの5例のケースシリーズ

https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/aimcc.2022.0179

こちらの報告でもCK上昇はなく、MPANの特徴と言っても良さそう。

また上記の文献と合わせるとPSL単剤で改善している例も多く治療反応性は良さそう

筋肉内の高信号を"marbling like high intensity" と表現している。

 

(まとめ)

MPANというサブタイプがある。→”不明熱+下肢の筋肉痛”の場合にはMPANも鑑別にあげるべき。

 

MPANは筋炎と異なり

・CK上昇がない

MRIで不均一な高信号を示す

ことが特徴。

また比較的治療反応も良さそう。