膠原病内科日記

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多発血管炎性肉芽腫症の腎腫瘤病変

多発血管炎性肉芽腫症(GPA)の腎腫瘤病変について。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

愛知医科大からの報告。

本論文出版時までにGPAに腎腫瘤が合併している24ケースが報告されている。

24ケース中21ケースで腎腫瘤の部位に関する記載があり、

solitary-type (62%, 13/21)
②multiple bilateral masses (28.5%, 6/21)
③multiple unilateral masses (9.5%, 2/21)
の3パターンに分かれていた。
また症例の半数に他の部位(鼻腔・中耳・肺など)にも病変を認めた。
 
造影CTでは
・15例で造影CTに関する記載があり、100%(15/15) Hypovascular patternであった。
また辺縁は不明瞭であった腫瘤が93%(14/15)を占めた。
peri-renal fatは3ケースでのみ認められた。
既報では1相の造影CTのみで今回報告されたケースでは世界で初めて3相での造影パターンが報告されている。造影効果は弱く、(おそらく乳頭状腎細胞がんに似た)遅延造影パターンであった

 MRIに関しては2件のみ報告があった。

その報告では腎実質と比較してT1=iso、T2=slight hypo signalで偽被膜形成はなかった。造影効果は乏しかっか。もう一例はT2のみで高信号であった。

本症例は以下のようであった。

 

(コメント)
腎腫瘤を認めた際にはGPAも想起する必要があるが、他の腎細胞がん、腫瘤、感染症などと画像パターンは似るため生検や治療反応性含めた総合的判断が必要そう。