膠原病内科日記

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Eosinophilic Giant Cell Arteritis

若年者ではjuvenile temporary arteritis with eosinophiliaというGCAの類縁疾患と考えられている疾患があり側頭動脈の好酸球性炎症が特徴とされているが、GCAにおいてもある研究では8%の患者好酸球浸潤があることが知られていた。
また1991年の研究で好酸球とその顆粒(eosinophil cationic protein (ECP))がGCAの病態に寄与していることを示していた。

Deposition of eosinophil cationic protein in vascular lesions in temporal arteritis

 

今回動脈壁に好酸球浸潤が目立つ症例の特徴について検討した研究が出版された。1986年1月から2013年12月までにTABを受けたGCA疑いが連続して同定(888検体)され、側頭動脈に炎症を伴っていた患者は354検体であった。その中でInflamed temporal artery: histologic findings in 354 biopsies, with clinical correlationsに記載されて4つのフェノタイプに分類、transmural inflammation(TMI)のあった254検体を解析の対象とした。
病理は臨床情報にアクセスできない一人の医者が診断を行った。

・全身症状・頭痛を中心とするCranial sympton、側頭動脈の異常、顎跛行が有意差を持って多かった。CRPも優位に高かった。
・病理所見ではLaminar necrosis、Acute thrombosisを有意に認めた。GCAで非典型なFibrinoid壊死は好酸球浸潤をきたすGCA患者でも認められなかった。
・ベースラインの好酸球の割合と絶対数は好酸球有無で差を認めなかった。
・治療による転機も差がなかった。
好酸球GCAは追跡(125+-74M)データが存在し、発症時に喘息・アレルギー性鼻炎・鼻茸・EGPAの特徴を持つ患者はおらず、追跡コホートでもそれらのアレルギー疾患やEGPAを発症した症例はいなかった。

 

(コメント)
確かに好酸球浸潤の目立つGCAいるな〜と思っていた。今後注目していきたい。