膠原病内科日記

膠原病・不明熱・間質性肺炎に関して勉強します。X:https://x.com/rheumafuoild/

診断

Polyarteritis Nodosaと血液疾患(hairy cell leukemia、MM、MDS/CMML、VEXAS)

Polyarteritis Nodosaは何らかの背景疾患を持っていることが多く、血液疾患もそのひつつとされている。HBVやHCVや薬剤、血液疾患ではhairy cell leukemiaと関連すると言われている。Kellyに記載されていないところではParaproteinを伴うもの、MDS/CMMLを伴う…

Muscular Polyarteritis NodosaはCK上昇を認めにくい

結節性動脈炎は全身の中型血管を侵すが、筋肉への血管に障害をきたすサブセットがあり、それを"Muscular Polyarteritis Nodosa"(MPAN)と呼ぶ。 MPANはまれなサブセットであるが、2016年までのliterature reviewと今年の日本よりケースシリーズの報告があった…

MDA5陽性皮膚筋炎と肝炎

MDA5抗体陽性皮膚筋炎において原因不明の肝機能上昇を経験することがある。治療経過で改善するが、臨床上は脂肪肝?となることも多い。 原因ははっきりとしていないが、皮膚筋炎において肝炎(肝機能異常)を伴うことが知られている。 以下にMDA5陽性皮膚筋炎…

Pneumocystis jirovecii pneumonia(PCP)診断における CT値

PCPの診断において気道検体からの菌体証明がゴールドスタンダードであり、Giemsa染色やその簡易法であるDiff-Quickが使用される。 しかしHIV-PCPと違って生物学的製剤や免疫抑制剤使用に伴うようなnonHIV-PCPでは菌体が少なく染色で証明が難しい場合も多い。…

巨細胞性動脈炎(GCA)における開口障害(trismus)

開口障害といえば破傷風を想起しやすいが巨細胞性動脈炎でも起こりうる。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov → ある研究では18年間に88人のGCA/PMRの患者を診療し、内8人(6.8%)に開口障害が存在した。 開口障害を伴うGCAの患者は眼症状を伴うことが多く(50% vs 27%)、…

【まとめ】封入体筋炎におけるエコー検査の有用性 -深指屈筋と浅指屈筋、腓腹筋とひらめ筋-

封入体筋炎(IBM)では特徴的な筋の萎縮パターンが見られ、その変性に伴うエコー輝度の変化を利用したエコー検査による診断の有用性が報告されている。 SRによるとSn82%Sp98%LR+18であり、かなり有用な検査であるため高齢者の筋力低下、特に上肢は遠位・下肢は…

巨細胞性動脈炎のエコーでの壁肥厚cut off

GCAの分類基準が2022年にEULAR/ACRで改定されたが、そこでHalo signが基準に加わったのは記憶に新しい。 Halo signの明確な基準はないが、巨細胞性動脈炎では血管壁の肥厚が認められることが多く、エコーで内膜・中膜複合体(IMT)を測定することで容易に診断…

EBNA(IIF)の判定不能の原因

EBNAは間接蛍光抗体補体法(FA)が用いられることが多い。 スライドガラスに固定したヒトEBNA発現細胞と血清中のEBNA抗体を反応させたのちに、補体と反応させ、FITC 標識抗ヒト補体 C3c・ウサギポリクローナル抗体を反応させる。controlとしてEBNA非発現細胞も…

好酸球増多の鑑別(mild, moderate and severe)

好酸球増多症は軽症(500-1500/mcL)、中等症(1500-5000/mcL)、重症(5000/mcL-)に分類されるが、重症度によっての鑑別疾患などについてはあまりまとまったものはないのでまとめてみた。 " data-en-clipboard="true">①Eo=350-3500→軽症-中等症 " data-en-clipbo…