膠原病内科日記

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EULAR2023② シェーグレン症候群に対する2つの薬剤

先日ミラノで行われたEULAR2023のon demond配信をぼちぼち見れているので、自分の中でまとめる意味も込めて記事にしてみる。

シェーグレン症候群に対する新規薬剤が2剤報告されているので紹介する。

①Telitacicept

TelitaciceptはTACIとFc部分のfusion proteinで機能的にはBLysとAPRILを阻害する作用を持つ。SLEなどで先行して試験が進んでいたが、今回シェーグレン症候群に対してP2 trialの結果が報告された。

ESSDAI≧5以上のpSSにTelitaciceptを160mgと240mgの群に分けてプラセボと比較した。

プライマリーアウトカムは24週時点のESSDAI(疾患活動性)の変化量で、160mg群はプラセボと比較して有意に改善した(+0.8 vs -3.6 P<0.05)。他にもESSPRI(症状)やMFI-20(倦怠感)は改善を認め、シルマー試験やsalivary flowは改善する傾向を認めた。

 

②Dazodalibep

抗体製剤は血小板のCD40L(CD154)に結合した抗体製剤のFc部分が血小板FcγRⅡaと結合し、血小板を活性化、凝集していまうため臨床応用が難しかった。そのため開発されたCD40Lを阻害するタンパク質。

2つのTrialが報告されており、T1ではESSDAI≧5のpSS、T2ではESSDAI<5かつESSPRI≧5のpSSがinclusionされた。

T1はESSDAIをT2はESSPRIをプライマリーアウトカムにしており、T1でもT2でも有意にDazodalibepの群で改善を認めた。