膠原病内科日記

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【まとめ】菊池病(組織球性壊死性リンパ節炎)

菊池病は稀な疾患であるが病態についてあまり知らなかったのでまとめてみた。
 
◾️菊池病の病因
・病態としては何らかの抗原に対するT細胞性免疫の過剰反応が考えられている。
KFDの人々はHLA calssⅡにrisk allele(HLA-DPA1*01/DPB1*0202)を有すると言われており、特にアジア人に多い。
菊池病の症状やリンパ節の病理所見はviral infectionに類似している。
⇔いくつかvirus(EB、HSVHIV etc)との関連が報告されてはいるが、決定的な報告はまだない。
・他にはcaspaseなどのなどのcell-cycle geneやapoptosis associated geneのup regulationとBCL2などのapoptosis inhibitory geneのdown regulationが菊池病リンパ節で確認されている。
・またapoptosisはCD8Tcellによって引き起こされるFAS-FASL systemによって引き起こされていることが観察されている。
・CD8Tcellの活性化は組織球やTcellの活性化によって引き起こされている。
→要はなんらかの刺激で組織球とT細胞が活性化し、 CD8T細胞の活性化、apotosisサイクルに入り壊死組織が拡大する
 
・サイトカインとしてはIFNγ、IL18、MIG(CXCL9)、IFNγ induced protein 10(IP-10、CXCL10)が中心的と考えられている。
・血中ではIFNγ、IL6の上昇は見られるが、IFNα・TNFα・IL2の上昇は見られない。(他の研究ではIFNγ・TNFα、MCP1、MCP lb、一部の患者ではIL2・IL7・IL8ならびにIL10 も高い値を示しており,主にこれらはTh1サイトカ インが上昇していた→Th17サイトカインは抑制され、それで病理で好中球は少ない)
*Th1ケモカイン:IFNγ依存性ケモカイン(IP-10、MIG、RANTES、MIP-1β)

Kikuchi-Fujimoto disease: A comprehensive review

◾️特徴

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

平均30歳で発症し女性が多い。SLEの合併も。

◾️症状

リンパ節腫脹は100%、熱は35%程度見られる。
他、皮疹や肝脾腫や関節痛、眼球乾燥症など膠原病likeな所見も散見される。

◾️検査所見

*以下の特徴も重要
・白血球の上昇(数%異型リンパ球を伴うこともある(逆に10%以上の上昇は少ない)/PMN減少することも)
CRPは発熱のわりに上昇しないことが多い(CRP<1が70%で合ったという研究も)
 
◾️治療
Ex)
30x5d 20x5d 15x5d 10x5d 5x5d(by ステロイドの虎 国松先生著)