SSc-ILDに関してはDESIRE trialで48週の時点ではRTXはプラセボと比較してFVCを改善させる傾向を示した。そんな中で2023年に入りCTD-ILDに対するRTXのRCTが2本発表された。
2017-2019 Multicenter, RCT, double blind 優越性試験
P:CTD-ILD、IPAF、IIPs、NSIP
I:RTX 2g +MMF2g
O:6ヶ月時点のベースラインからのFVC(%)変化
N=122(RTX=63、Placebo=59)
baseline:
・平均年齢66.1歳
・FVC(%) RTX:66.7 Placebo:70.2
・DLCO RTX:40.1 Placebo:38.6
・CTD 35%(SSc:53%、筋炎:19%、シェーグレン:16%、RA:7%、MCTD:5%)、IPAF 30%、 iILD 35%
・ステロイドのベースライン RTX vs P= 15mg/day vs 17.5mg/day
主要な結果
・6ヶ月時点でプラセボ群はFVC(%)の変化は+1.60であったのに対しRTX群は-2.01であった(群間の差は3.60 95%CI 0.41-6.80 P=0.0273)。
・Progression-free survivalもRTX群の方がよかった(HR 0.47 95%CI 0.23-0.96)。
・RTX+MMFの恩恵が少なかった患者群として
①6MD≦150m②sPAP≧45mmhg③酸素療法10h以上④UIP/indeterminat UIPパターン
が示された。
②CTD-ILDに対するRTX vs CYC(RECITAL)
2014-2020 Multicenter, RCT, double blind 優越性試験
P:CTD-ILD
I:RTX 2g
C:CYC 600mg/m2 q4w x6
O:24週時点のベースラインからのFVC変化量
N=101(RTX=48、CYC=49)
baseline:
・平均年齢56.6歳
・FVC(%) RTX:68 CYC:71
・DLCO RTX:40 Placebo:40
・SSc:38%、筋炎:45%、MCTD:16%
主要な結果
・24週時点でのRTX 群のFVC変化は97ml、CYC群は99mlでFVC変化量の差は-40ml(95%CI -153~74 P=0.49)であった。
・48週の時点のステロイド(ヒドロコルチゾン換算)の平均容量はCYC 42.9mg/日 RTX 37.6mg/日
(まとめ)
EVER-ILDでは1/3がCTD-ILD、1/3がIPAFの NSIPにおいて生存率に関連するFVC改善に関してRTX+MMF>MMFを示したが、RECITALではRTXのCYCに対するCTD-ILDのFVCの改善の優越性は示すことができなかった。