膠原病内科日記

膠原病・不明熱・間質性肺炎に関して勉強します。X:https://x.com/rheumafuoild/

罹病期間による不明熱の鑑別

罹病期間による不明熱の原因は予後を調べた研究。とても勉強になったのでまとめた。
ある程度罹病期間で当たりをつけていくのに参考になる。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

ベルギーの2000床程度の病院で行われた。
GIMに受診した患者をretrospectiveに研究を行った。

・不明熱患者は罹病期間が長くなるにつれて若年になる傾向があり、60歳以上の割合が減る
・3-12ヶ月でIUOが増えるが12ヶ月以上では再度IUOはへる
・12ヶ月以上続く持続性の発熱患者は7%もいる!

・12ヶ月以上持続するFUOの半数は疾患が特定できず、最も多いのは自己免疫疾患である。
・悪性腫瘍の可能性は減少する。
・また薬剤性はどの期間でもそれなりの割合で存在し忘れては行けない存在。
<各疾患内訳>

 
結核は王様であるが、CMVや感染性心内膜炎・化膿性関節炎・椎体炎も12ヶ月を超える FUO/IUO群で存在することに驚きを隠せない。実臨床でも注意が必要!

悪性腫瘍ではやはり血液腫瘍が多い。
・MDSも多く原因のわからないFUOの患者には積極的に骨髄生検を行っていきたい。
・MMの患者もFUOの原因となっており、古典的には発熱しないとされているので注意していく。
・腎細胞がんが固形腫瘍にもかかわらず12ヶ月以上持続するFUOとなっている。

これは疾患名を見るだけでも勉強になる。IgG4RDも含まれておりどちらかというとIUOと思われるがFUO/IUOたるIgG4があるのだろう。

診断は1年以内につくことが多そう。
・最も危険なFUO/IUOは3-12ヶ月でそれは臨床感覚ともあう(悪性腫瘍やキャッスルマンなど見逃せない疾患が多い)