膠原病内科日記

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MRIで筋肉に異常信号を認めるMDA5陽性皮膚筋炎は予後がいい

元々筋力低下の見られる患者では予後が良いことが知られており、慈恵医大から皮膚筋炎における筋膜に注目した画像を報告されていた。その中で筋症状が乏しいとされているCADMの筋MRI画像所見に関連した研究が報告された。
P:
上腕(左右の三角筋、二頭筋、三頭筋)・下腿(大臀筋、大腿前面の筋肉、後面の筋肉)の9部位でのMRIを行った28人のMDA5陽性皮膚筋炎の患者
*治療開始後10日間以降に撮像した患者は除外
*DM or ADMの分類はEULAR2017 criteria
結果:
2008年から2022年でMRIを撮像しているDMの症例が15例ADMの症例が13例研究に含まれた。

MRI(STIR)の所見で"fascial pattern" (F)と"intramuscular pattern"(I)、複合パターン(FI)、所見なしに分類。
FI、Iの所見を認めるものをRMDM、Fや初見のないものをRADMと定義し、再分類した。
臨床的な分類であるDMとADMでは年齢やILD、6ヶ月生存率など有意差を認める項目はなかった
しかしRMDMでは若年で筋痛を訴える割合が高く、またPSL+TAC+CYCのTriple therapyを受けた患者が少ないにも関わらず6ヶ月生存率も100% とRADMの69.2%と比較して予後良好であった。
RMDMの中にはADMの症例も33%含まれていた。


(コメント)
MDA5陽性皮膚筋炎のMRI所見に注目した興味深い研究。LimitationはMRIを取れる生きの人しか含まれていない点だろう。MRIで所見があった患者では生存率は高かったため実臨床でも注目していきたい。