EULARの自己炎症性疾患のセッションを見ていた時にRAと自己炎症性病態との関連が触れられており、その関連について深めていくと回帰性リウマチに至ったためまとめた。
<疫学>
・RAへの進行率は10-66%、特に自己抗体陽性患者はRAへ進展しやすい。
・RFとACPAは39-68%に存在する。
・はじめの1.2年に大多数の患者はRAへ進展する。
・中にはSSや血管炎、筋炎、BD、SLEに進展する例も報告されている。
<診断基準>
Pasero and barbieri 基準
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Hannonen らの基準
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Guerne and Weisman 基準
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Gonzales-Lopez らの基準
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Clin Exp Rheumatol. (1986) 4:197–9.
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Scand J Rheumatol. (1987) 16:413–20.
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Am J Med. (1992) 93:451–60.
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J Rheumatol. (2000) 27:41–6.
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突然発症の再発性痰関節炎
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数時間から1週間程度持続する突然発症の関節炎/関節周囲炎
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6ヶ月間に突然発症・再発性の単関節炎(まれに多関節)/関節周囲炎
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突然発症の繰り返す関節炎
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医師がそれを直接確認すること(*今日的には写真でも可?)
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2年間に5回以上繰り返す
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2年間に5回以上繰り返す
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3関節以上で発作がある
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3関節以上で発作がある
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3関節以上で発作がある
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3関節以上で発作がある
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Xp異常を認めない
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Xp異常を認めない
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Xp異常を認めない
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他の疾患を除外する *WhippleやFMFは鑑別の筆頭
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<症状>
・発作は通常3日未満、多くの場合12-48時間で消失する。基本的には熱は伴わない。
・発作時は炎症反応の上昇を認める。
<罹患関節>
<治療>
・RCTはなく、観察研究でHCQの発作頻度と強度に関する有用性が示唆されているので経験的にHCQが使用されることが多い。
・日本では発作時のNSAIDsやステロイド、滑膜炎があるならRAに準じた治療(免疫調整剤が主だとは思うが・・・)が行われることが多いだろう。またはRA発症までDMARDsは導入せず経過観察。
<エコー所見>・エコーでは発作時には重度の滑膜炎は伴わないことがわかっており、一方で滑膜炎を伴っている患者はRAへ進展しやすく、ACPA陽性と関連していた。・発作中は関節周囲の炎症が認められることが多い。下記の研究では23%で滑膜炎を認め、61%は関節外の炎症所見のみであった(下の図でいうE以外)。