IgG4関連疾患(IgG4RD)の病勢を測るものとして
・IgG4
・IgG4/IgG比
・補体
・CRP、ESR
・画像所見
が日常的に使用されているが、確立されたマーカーはなく病勢の判断が難しいことが多い。
その中で日常的にも測定しやすいコリンエステラーゼ(ChE)活性のIgG4RD診療における有用性が2020年に報告されている。
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高知大から
30人の日本人のIgG4RD患者中14人でChE活性の低下(平均131.9 U/L)を認めた。
30人の日本人のIgG4RD患者中14人でChE活性の低下(平均131.9 U/L)を認めた。
ChE活性低下のあった患者群ではIgG4は高く(866.2 vs 538.3)、補体は低く(C3 73.6 vs 117.8)、平均4.3個の臓器病変( vs 1.9)を持っていた。
ChE活性は治療1ヶ月で改善し、データは示されていないが再燃時に再度低下した例もあった。
また臓器病変でみると腎病変を伴っている患者でChE活性がより低下しており、臓器病変が複数(3個以上)の場合、限局(2個以下)の場合と比較してChEが低下している傾向にあった。
最後に多臓器病変のIgG4RDとAAV(N=10)、SS(N=10)において肝臓で作られるCRP、Alb、ChEとIgGを比較したところChEでのみ有意に他疾患と比較して低下していることがわかった。
<コメント>
他にsIL2RやIgG2の病勢判断の有用性が報告されてきているのが、より手軽に測れるChEの測定も多臓器病変があるか推定するのに有用でありそうなので臨床でも考慮していきたい。