シェーグレン症候群(SS)とIgG4関連疾患(IgG4RD)はお互いに鑑別が必要な疾患として挙げられるが、シェーグレン症候群でIgG4が上昇する実感がなかったため調べた。
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日本で行われた自己免疫疾患のIgG4の診断的価値を調べた研究では、88人のSSでIgG4は38+-65 mg/dL(+-SD)であり、IgG4RDは716+-639 mg/dLと明らかな差があった。
別の研究では、
やはりSSではIgG4は上昇していなかった。SSとIgG4RDの鑑別として有用な所見はSS-AやIgEが有用で、抗核抗体に関してはIgG4RDでも20%程度陽性になることがわかった。
ただ中にはSSでもIgG4の上昇を認める群があり、別の研究では10%程度SSでもIgG4の上昇を認めることがわかっている。IgG上昇群ではIgG4関連疾患で特徴的な膵炎、胆管炎、間質性腎炎は有意差を持って多かった。またANA、SS-Aの陽性率が低くかったが、SIcca症状やSS-Bの陽性率はIgG4正常群と差がなかった。
(まとめ)
SSではほとんどの患者でIgG4は上昇しないため他の所見なども踏まえれば鑑別は難しくないと思われる。