膠原病内科日記

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【まとめ】シェーグレン症候群とTAFRO

シェーグレン症候群(Sjögren syndrome; SS)とTAFROが合併しているんじゃないか、と巷では言われていて、2023年までに探しうる範囲で13例の報告がある。

 

TAFRO syndrome: A severe manifestation of Sjogren's syndrome? A systematic review

 

-13件中10件がアジアからの報告9:4で女性の方が多い。直近3年では男性の方がやや多い。
-SSとしてはほぼSS-A抗体が陽性で1例のみ抗体陰性のSSがあり、SS-A陽性が一つの特徴かもしれない。ただあまりhyper IgGが進んでいる印象はなく、個人的な印象だがSSが原因でTAFROになったというよりも、付随して見つかっているという印象もある。ほかの自己免疫疾患ではSLEが調べられる範囲で3件、RAでは1件のみ報告ありSSが多いとはいえAutoimmun revの文献にも記載あるようにTAFROになる人口の割にSSの合併例の報告が多いようにも思うので、関連はしている可能性はある。
-TAFROとしてはIL6やVEGFの値には幅があるが1例を除き測定されている人では上昇していた。リンパ節の生検結果は記載のあるものではMixed typeが最も多い。骨髄の生検でも記載していないがほとんどの症例でTAFROに特徴的な骨髄の線維化がみられ、JAK2阻害薬が有効であった症例も報告がある。
-治療はPSLを中心にCyAが加わることが多いが、キャッスルマンのようにIL6を追加したり、それでも治療反応悪い場合にはB細胞を標的にしたRTXやBelimumabも使われている。
 
(New!)
京都大学から7人のTAFROのうち6人でSS-A抗体が陽性であったという研究が報告された!
 
(コメント)
もしSS-TAFROがあるのであればMCD-TAFROとのサイトカインや症状、治療反応性の違いは気になるところ。

参考にした論文にSSとTAFROの関連に関して考察されているので興味があれば一読されたい。