dsDNA抗体はSLEの70-98%に陽性となり、感度57.3%・特異度97.4%と特異性の高い検査となっている。dsDNA抗体は腎炎との関連が指摘されているが、今回2015年に報告されたdsDNA抗体陽性SLEと陰性SLEの症状の違いに関して比較した研究を紹介する。
今回の研究ではローマの単施設研究で、dsDNA抗体はCLIFT法で測定され、SLEは1997年ACR criteriaで分類されたものとしている。
dsDNA抗体のstatusとして①+持続陽性②+-初回陽性、経過で陰性化③-持続陰性の3パターンに分けて検討した。
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392人のSLE患者が同定され、①62.3%、②13.3%、③24.4%であった。
結果dsDNA抗体陰性群では腎障害やNP SLEの罹患率が低く、漿膜炎の合併率が高かった。
(コメント)
先行研究のように今回の研究のdsDNA抗体陰性SLEはSS-A/SS-B抗体陽性のSLEを見ている可能性がある(今回の研究ではそこまで検討していない)。
また、今回の研究ではCLIFT法でDNA抗体を同定しているため割とSLEに特異性は高いと思われる。日本で頻用されているのはELISA法であるためまた違う結果になるのかもしれない。