膠原病内科日記

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MPAやGPAにおける診断時の好酸球数と臨床的特徴

韓国からの研究
P:
治療介入前のMPAとGPA(wattsのアルゴリズムとrevised CHCC2012により診断/基本的にACR・EULAR2022 criteriaも満たす)で好酸球が1000/mm3未満の患者
N=224(MPA=152,GPA=72)

好酸球数はBVASとfive factor score、ESR、CRPと相関。

また死亡した患者や心血管イベントや腎病変のある患者では優位に好酸球数が多かった。GPAとMPAで比較するとMPAで優位に好酸球が多かった。

*MPA患者では好酸球数とBVAS、ESRの相関を認めたが、GPA患者では好酸球CRPでのみ相関を認めた。
 
好酸球数≧175.0/mm3MPA/GPAはそれ以下と比べて累積死亡が多く、感度77.8%、特異度51.6%で全死亡を予測した。*多変量解析で男性やBVAS、FFS、Dlp、血清albは全死亡と独立して関連していたが好酸球は含まれていなかったため従来の死亡リスクには匹敵しない。

 

 
考えられる機序:
①診断時のESRやCRP好酸球の相関があり炎症を反映している可能性
②AAVで好中球に作用するケモカイン(IL8など)やC3a、C5aが高レベルの炎症に関与しておりそれにより好酸球が活性化される可能性。
③EGPAと部分的に病態が関連している可能性
 
(感想)
大阪大よりMPAに関してmonocyteが活性化するphenotypeの報告があったが好酸球が増加・活性化するphenotypeもあるのか?