膠原病内科日記

膠原病・不明熱・間質性肺炎に関して勉強します。X:https://x.com/rheumafuoild/

家族性地中海熱と血管炎

家族性地中海熱(FMF)の患者では丹毒様皮疹が見られることがあるが、どうも血管炎が合併する症例もあるようだ。日本人では少ない遺伝子型がメインなので、日本人で出るかは不明だが紹介する。
 
フランスのFMFコホートのうち血管炎を伴う患者は406人のうち22人同定された。
PANが最も多く(10人,46%)、IgA血管炎が次点(8人,36%)、その他はAAV(2人うち1人がGPA)、Unclassified vasculitis(2人)であった。
 
PAN+FMF
・FMFは平均11歳で診断され、PANは36歳で診断された。
・大多数はMEFV遺伝子に2つの変異を持っていた。
・症状としては皮膚(ただし、Livedoは1/10しか伴っていない)や関節痛が多かった。
・40%に腎周囲や中枢性の出血を伴っていた。
・10人中3人でアナキンラが使用されPANの症状も速やかに改善した→病態との関連?

 

IgAV+FMF
・FMFは平均9歳、IgAVは13.5歳で診断された。
・こちらも皮膚病変や関節痛が多かったが、それ以外にも胸背部痛や熱といったIgAVではあまりみられない症状も伴っていた。
・25%に消化管出血が見られた。