MSU貪食後好中球はNetosisを起こす。好中球の密度が高い場合aggrefation NETs(agg NETs)と呼ばれるMSU/DNA結晶を形成するようになる。agg NETsはセリンプロテアーゼを介してサイトカインとケモカインを分解し、痛風の炎症を軽減する。(Aggregated neutrophil extracellular traps limit inflammation by degrading cytokines and chemokines)
他にも炎症の後期では好中球からのTGFβ1の分泌が起こり炎症を抑制する。またマクロファージの非炎症性貪食もTGFβを産生し炎症を抑える方向にいく。
今後臨床応用の期待される薬剤/すでに使用されている薬剤:
②TGFβ→自己免疫性疾患に対するTGFβの使用は悪性腫瘍発生により失敗となったが、痛風発作に対する単回、または数回の投与は有用である可能性がある。
③アナキンラ、カナキヌマブ、コルヒチン→IL1β阻害
④エタネルセプト→MSUとTNFαの組み合わせが好中球におけるPro-IL1βの発現を有意に増加させるが、MSU単体ではPro-IL1βの発現やIL1βの分泌を誘導できない。MSUはDAMPsの放出が起こる局所的な細胞死を通じてPro-IL1βの産生を間接的に促進している。実際に痛風の炎症が起きている滑液ではsTNFRⅠ/Ⅱのレベルが大幅に上昇する。症例報告ではETNとフェブキソスタットの併用が難治性痛風に有用であり、現在急性痛風発作に対して臨床応用されている。
⑤CD14ブロック→CD14はマクロファージのMSU取り込みに関連しカスパーゼ1の活性化、IL1β賛成の起点となる。CD14 n.o miceではMSUの取り込みが著名に減少する。痛風患者では単球の膜結合型CD14の発現が著名に低下しており、血清の可溶性CD14も減少している。したがってMSU誘発性炎症でのCD14の低下は自然寛解に関与している可能性があり、難治性痛風などで臨床応用される可能性である。COVID-19で研究されているIC14は潜在的な抗CD14治療薬であり、IC14はCD14、DAMPS、MSUの相互作用を遮断し、NLRP3/IL1-β経路を弱める。
⑥IL-33/IL37→IL1βシグナル伝達を弱める制御因子である。
参考文献:
Spontaneous resolution of acute gout: mechanisms and therapeutic targets | RMD Open