P:12ヶ月以上薬剤変更なく寛解状態(腫脹関節がなく、DAS remision criteria(<1.6)を満たす)を維持している関節リウマチ
I:はじめの4ヶ月で半分に減量、次の4ヶ月で寛解を維持していた場合中止していく(Taper群) ★Flareした場合には中止した薬剤を再開する。
C:そのまま(Stable群)
O:12ヶ月時点でのdisease flareを経験した患者の割合
*非劣性マージン 0.2
→
結果:
2013-2019年
Taper群:47(ITT)→43(PP)、Stable群:45→41
初めの関節腫脹からの期間 11.9年、10.0年
Taper群の27/43(63%)にflareを経験、Stable群は2/41(5%)であった(risk difference 58%, 95%CI 42~74%)。
しかしながら12ヶ月の時点でTaper群は88%の患者が、Stabel群は85%の患者がDAS remissionを経験していた。
細かく結果を見ていくとTaper群で記録された全27例の再燃のうち5例はTNFi半量投与時に発生したものであった。
また、使用薬剤を見ていくとMTXはTaper群で81%、Stable群で84%使用されており、
生物学的製剤はエタネルセプトが43%、44%であった。次点はセルトリズマブで30%、33%であった。
(コメント)
寛解した場合でも発症から時間の経ったRA患者では生物学的製剤の中止で半分以上再燃するという結果となった。
薬剤では抗体製剤を合算してもエタネルセプトと同じような再燃数なので抗体製剤、受容体製剤の差はなさそうであるが、なんとも言えない。
個人的に最も衝撃だったのが超音波での検討と再燃の関係に関して。今回の研究では両側16関節(中手指節骨1~5、手首(橈骨手骨、手根中央、遠位橈尺)、肘、膝、距腿、中足趾節1~5)=32関節を評価している。
結果、94%の患者でPDシグナルはなく、中央値でGS1の関節が1つ程度でも63%も再燃を起こすことに驚いた。やはり生物学的製剤中止の判断はエコー寛解でも難しいか・・・