2023-01-01から1年間の記事一覧
" data-en-clipboard="true">SSc-ILDに関してはDESIRE trialで48週の時点ではRTXはプラセボと比較してFVCを改善させる傾向を示した。そんな中で2023年に入りCTD-ILDに対するRTXのRCTが2本発表された。 " data-en-clipboard="true"> ①NSIPに対するRTX+MMF v…
SLEにおける稀な肺合併症として"Shrinking Lung Syndrome"がある。 www.ncbi.nlm.nih.gov Shrinking Lung Syndrome(SLS)は進行性の呼吸困難、(多くは片側の)横隔膜挙上、胸膜炎、画像上の肺容積減少(肺実質病変はないにも関わらず!)、拘束性換気障害を特徴…
成人発症スティル病(Still病、AOSD)の咽頭痛は山口基準にも入っているように重要な症状であり、時には重度の嚥下痛や咽頭痛を示すが咽頭の中を覗いてみると異常は見当たらないことが多く、現時点でも原因に関してははっきりとはわかっていない。 一説による…
シェーグレン症候群(Sjögren syndrome; SS)とTAFROが合併しているんじゃないか、と巷では言われていて、2023年までに探しうる範囲で13例の報告がある。 TAFRO syndrome: A severe manifestation of Sjogren's syndrome? A systematic review -13件中10件がア…
Lupus anticoagulant hypoprothrombinemia syndrome(LAHPS)は1960年にはじめて報告された後天性のプロトロンビン活性低下(通常10%以下)を伴うループスアンチコアグラント(LAC)陽性例でLAC陽性であるが出血症状を伴うことで知られている症候群である。小児のV…
アキレス腱炎といえば代表的な付着部炎で脊椎関節炎を想起してしまうが、関節リウマチでも起こしうる。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 2022年に報告された早期関節リウマチ(152人, 罹患期間の中央値が1ヶ月)における足病変の超音波検査を検討した報告では、患者の…
アジア人の全身性エリテマトーデス(SLE)はくも膜下出血(SAH)になるリスクが高い。 最も大きいデータでは、 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov 台湾のnational dataを使用した研究があり、 2000-2006年の間のSLE患者17404人とランダムに性別と年齢をマッチさせた16967…
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov Single center, retrospective 1995-2018年の間の276人のAAV(Wattsのアルゴリズムで分類)患者中101人が筋生検を受けた。 結果78人がincludeされ、33人のGPA、25人のMPA、20人のEGPAの内訳であった。患者の58%で血管炎が陽性となった…
シェーグレン症候群(SS)とIgG4関連疾患(IgG4RD)はお互いに鑑別が必要な疾患として挙げられるが、シェーグレン症候群でIgG4が上昇する実感がなかったため調べた。 --------------------------------------------------------------------------------- 日本で…
(追記20230829) 2022 ACRで抗リン脂質抗体症候群(APS)の新基準のDraftが発表された(ACR convergence 2022 13S150)。 https://acrjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/art.42624 Entry: 下記の6つのドメインのうち最低でも1項目と3年以内に中…
強皮症の皮膚病変に対するエビデンスは限られている。今回は強皮症の皮膚病変に対するステロイドの有用性をまとめる。 日本では日本皮膚科学会の全身性強皮症ガイドラインにステロイド加療に関する記載があり、 CQ3: 治療の対象となる SSc 患者に対して,プ…
成人発症Still病(AOSD)においてトシリズマブは通常の関節炎型AOSDだけでなく、マクロファージ活性化症候群の治療にも有用であることが報告されている一方、治療中にMASを発症してしまうことがある。しかしそれ以外の生物学的製剤でも報告がある。 ▪️Tocilizu…
" data-en-clipboard="true">関節リウマチ患者で発作的なFlareを経験する患者がたまにおり、しかも関節炎というよりも周囲炎が多い印象であった。今回関節リウマチにおいても自己炎症的な病態の関与する例についてまとめた。 " data-en-clipboard="true"> 関…
EULARの自己炎症性疾患のセッションを見ていた時にRAと自己炎症性病態との関連が触れられており、その関連について深めていくと回帰性リウマチに至ったためまとめた。 www.frontiersin.org " data-en-clipboard="true"><疫学> ・RAへの進行率は10-66%、特に…
好酸球性肉芽腫性血管炎(EGPA)の患者に稀ではあるが治療中に肝機能障害を認め、EGPAによるものか薬剤によるものか判断に苦慮する場合がある。 現時点でのEGPAにおける肝障害のエビデンスをまとめる。 ①EGPAによる肝炎 link.springer.com EGPA既往がある66歳…
Leukocytoclastic vasculitis(LCV)はゴミ箱診断的によく日常診療で出会う。ただこれ自体が臨床で大きく問題になることは少なく、自然軽快することも少なくない。今回はこの血管炎についてIgA血管炎と比較も交えながらまとめていく。 ▪️診断: <生検> pubmed.…
上肺野優位病変を示す疾患の覚え方として"CASETT-P(カセットP)"が知られている。 " data-en-clipboard="true"> " data-en-clipboard="true">C:嚢胞性線維症、慢性過敏性肺炎 A:強直性脊椎炎、網谷病 S:サルコイドーシス S:珪肺(Silicosis) E:ハンゲルハ…
" data-en-clipboard="true">家族性地中海熱(FMF)の患者では丹毒様皮疹が見られることがあるが、どうも血管炎が合併する症例もあるようだ。日本人では少ない遺伝子型がメインなので、日本人で出るかは不明だが紹介する。 " data-en-clipboard="true"> pubmed…
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov CPP(ピロリン酸カルシウム)とHA(ハイドロキシアパタイト)、MSU(痛風結晶)で濃度勾配を持たせたチューブを作り、CTとエコーでどのように描出されるか検証したstudy。 点線はコントロール。 Aは外観、BはCT、Cはエコー。 HAとMSUでは…
胸腺腫には自己免疫性疾患が合併しやすいことが知られており、重症筋無力症や赤芽球婁、天疱瘡、筋炎、Isaacs症候群、Good症候群などが報告されているがSLEとの合併例も報告されている。 自己免疫性疾患を起こす機序として ①Escape theory→髄質で行われるNeg…
Polyarteritis Nodosaは何らかの背景疾患を持っていることが多く、血液疾患もそのひつつとされている。HBVやHCVや薬剤、血液疾患ではhairy cell leukemiaと関連すると言われている。Kellyに記載されていないところではParaproteinを伴うもの、MDS/CMMLを伴う…
結節性動脈炎は全身の中型血管を侵すが、筋肉への血管に障害をきたすサブセットがあり、それを"Muscular Polyarteritis Nodosa"(MPAN)と呼ぶ。 MPANはまれなサブセットであるが、2016年までのliterature reviewと今年の日本よりケースシリーズの報告があった…
MDA5抗体陽性皮膚筋炎において原因不明の肝機能上昇を経験することがある。治療経過で改善するが、臨床上は脂肪肝?となることも多い。 原因ははっきりとしていないが、皮膚筋炎において肝炎(肝機能異常)を伴うことが知られている。 以下にMDA5陽性皮膚筋炎…
brodie膿瘍とは亜急性骨髄炎の経過で出現する骨内の膿瘍と周囲の骨硬化が特徴的な膿瘍。 www.ncbi.nlm.nih.gov ・男性に多く(2:1)、発症平均年齢は17歳。*高齢者の報告もあり! ・診断まで中央値で12週間。慢性の経過も。 ・好発部位は で、脛骨や大腿骨(特…
欧米と比較し日本ではHLAB27陰性の強直性脊椎炎(AS)が多く、Typicalな症例以外は診断に苦慮したり見逃されていることも多い。 HLA B27陰性ASについてはデータも限られており、今回ACR opne Rheumatologyにreviewが出版されたためまとめた。 pubmed.ncbi.nlm.…
PCPの診断において気道検体からの菌体証明がゴールドスタンダードであり、Giemsa染色やその簡易法であるDiff-Quickが使用される。 しかしHIV-PCPと違って生物学的製剤や免疫抑制剤使用に伴うようなnonHIV-PCPでは菌体が少なく染色で証明が難しい場合も多い。…
開口障害といえば破傷風を想起しやすいが巨細胞性動脈炎でも起こりうる。 pubmed.ncbi.nlm.nih.gov → ある研究では18年間に88人のGCA/PMRの患者を診療し、内8人(6.8%)に開口障害が存在した。 開口障害を伴うGCAの患者は眼症状を伴うことが多く(50% vs 27%)、…
封入体筋炎(IBM)では特徴的な筋の萎縮パターンが見られ、その変性に伴うエコー輝度の変化を利用したエコー検査による診断の有用性が報告されている。 SRによるとSn82%Sp98%LR+18であり、かなり有用な検査であるため高齢者の筋力低下、特に上肢は遠位・下肢は…
GCAの分類基準が2022年にEULAR/ACRで改定されたが、そこでHalo signが基準に加わったのは記憶に新しい。 Halo signの明確な基準はないが、巨細胞性動脈炎では血管壁の肥厚が認められることが多く、エコーで内膜・中膜複合体(IMT)を測定することで容易に診断…
関節リウマチと痛風が合併しないという神話、聞いたことないだろうか? 耳学問として知ってはいたが、Myth and Pearlで否定されていたのでまとめてみる。 またRAとCPPDはよく合併し、Flare時に鑑別が厄介となる。その違いについてもまとめてみる。 pubmed.nc…